先日、アメリカでの巨額のセクハラ訴訟の報道がありました。今回は、セクハラについて、うさみみ法律事務所のうさ子さんと弁護士の会話を聞いてみましょう。
うさ子 こないだ、すごい金額のセクハラ訴訟のニュースを見たんですけど。なんでも2百億円以上とか。
弁護士 アメリカの話だね。社長秘書が社長と会社、それに日本の親会社を訴えたんだ。
うさ子 社長が秘書に何をしたんですか?
弁護士 報道によると、訴えの内容は、2人きりで出張するよう調整させたり、不自然に体を触ったり、花束を贈ったりしたということらしいよ。秘書は会社に相談したけど対処してくれなかったとか。
うさ子 それで2百億円って高すぎません?
弁護士 これは訴えた側が請求している額で、最終的にはいくらの判決が出るかまだわからない。この額のほとんどは会社への懲罰的損害賠償、つまり大会社にわずかな金額を払わせてもちっとも痛くないだろうからという理由で多く請求したものなんだ。ただ、日本ではそのような請求は認められていないんだ。
うさ子 じゃあ日本でセクハラ訴訟を起こしたらいくらぐらいもらえるんですか?
弁護士 一口でセクハラといっても軽いものから犯罪すれすれものまで様々だけど、セクハラのせいで精神的な病気になったとか、退職を余儀なくされたとかのような、明らかな実害がなければなかなか難しいね。職場関連のセクハラの場合、悪質なことが繰り返されたり、拒否したために嫌がらせをされて退職したような例で、百万円を超える慰謝料を認めた判決が数件ある。
うさ子 それでやっと百万円ですか…。例えば飲み会で嫌いなお酒を飲めと言われたり、二次会の参加を強制されたりした場合は?
弁護士 強制の程度や回数にもよると思うけど、なかなか慰謝料が認められるのは難しいんじゃないかな。
うさ子 私、ニュースを見て、2百億円は無理としても、先生にもひょっとしたら1億円くらい請求できるかもしれないと思ったのに。
弁護士 ・・・・・。まあ、セクハラになるかどうかは充分に意識しなければいけない。コミュニケーションをとろうとする、主に男性の側にも相手の気持を十分考える必要があるね。下ネタ発言や肩もみなどもセクハラにあたることが多いから要注意だ。セクハラは刑法でも公然わいせつ罪、強制わいせつ罪、強要罪、名誉毀損罪などの罪になる場合もある。
うさ子 今現在、セクハラをされて困ってる人はどうしたらいいですか。
弁護士 まず、嫌だと思ったら相手に対してはっきりと拒絶の意思を示すことが大事。次に会社の人事部や相手の上司に相談してみよう。それでも解決しない場合は弁護士も相談を受けるし、労働局にも相談窓口がある。
うさ子 労働局には黙っておくんで、先生のおごりでお酒を飲みに行きましょう!
弁護士 (・・・おいおい、それじゃあ逆セクハラだよう。)
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