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交通事故の損害賠償金って?


うさ子 ちょっと前に、友達が交通事故に遭って大ケガをしたんですよ。

弁護士 うさ子君がはねたの?

うさ子 違いますよ!それで先日、相手の保険会社から損害賠償額の連絡があったんですけど、金額が少ないと思うんです。

弁護士 うさ子君はどんな金額でも少ないと思うんじゃない?というのは冗談だけど、賠償金額はどうやって決まると思う?

うさ子 被害者が納得できるかどうかじゃないですか。「ひどい相手だからとりあえず1億円」とか?

弁護士 んなわけはない。ちゃんと基準があって、ケガの程度や被害者の収入によって決まるんだよ。

うさ子 賠償金の内訳がいくつかの項目に分かれてるんですか?

弁護士 そう、大きく分けると治療費等の実費、休業損害、慰謝料の3つ。後遺症が残る場合には別途後遺症の慰謝料と逸失利益も加算されるけど、ちょっと説明が長くなる。

うさ子 後遺症はまたの機会にしましょう。

弁護士 それでは、まず実費の関係。病院に支払った治療費や、通院の交通費だ。あと、付添看護費や入院雑費については1日あたりの基準額がある。

うさ子 実費は払ってもらわないと困りますよね。

弁護士 次に休業損害。これは仕事を休んだためにもらうことができなかった給料や収入の分。有給休暇を使って治療しても休業と認められるよ。

うさ子 友達は専業主婦なんですけど、どうなりますか?

弁護士 主婦については、裁判の場合は女子労働者の平均賃金相当とみなされることが多いよ。ただ示談交渉の場合はその金額まではいかないだろうね。

うさ子 じゃあ専業主婦でも休業補償はしてもらえるんですね。

弁護士 あとは慰謝料。

うさ子 そう、問題はそれなんです!その事故の相手は、事故直後のひん死状態の友達に怒鳴り散らし、その後も見舞いにも来ないばかりか謝罪の一言もないんですって。

弁護士 うさ子君、ひどいなあ。

うさ子 私じゃありませんってば!でも、こんな不誠実な対応をする相手からは慰謝料ガッポリ取れますよね。

弁護士 いや、残念ながら裁判でも、よっぽどのことがないと相手の態度で慰謝料が大幅に増えることはないよ。相手の態度をどう感じるかは人によっても違うからね。基本的に慰謝料は怪我の程度や入院と通院の期間によって決まるんだ。

うさ子 ちぇっ。じゃあ私が事故に遭ったら、できるだけ長く入院して、たとえ治っても根性で通院し続けようっと。

弁護士 ・・・それは保険金詐欺というよ!・・・で、これらの合計額から、自分の過失割合、例えば自分3:相手7の事故なら3割を引いたものが賠償額となる。

うさ子 ええっ、3割引き?全額もらえるんじゃないんですか!

弁護士 自分にも過失があればね。それと、注意しないといけないのは、項目によっては保険会社の基準と裁判で認められる基準に違いがあって、保険会社の基準の方が賠償額が安くなる場合が多いんだ。保険会社の提示額に納得できない場合は弁護士に相談してみたらいい。

うさ子 相談料も3割引きにして下さい!

弁護士 ・・・僕には過失はないのでしません。