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離婚って経済的にどうなの?


うさ子 先生!私、離婚します!

弁護士 え、うさ子君、独身でしょ?

うさ子 そんなことはいいんです!いくら取れますか?

弁護士 離婚時に発生するお金の問題は、慰謝料、財産分与、養育費の3つだね。

うさ子 夫の浮気なら慰謝料は1千万円ですよね!

弁護士 お互い合意すればいくらでもいいんだけど、ちょっと1千万円は無理じゃないかな。普通の夫婦だったら裁判では多くても300万円くらいだよ。離婚の原因が本当に一方だけにあるのか、こっちにも非があるかによっても違うし。

うさ子 ちぇっ。でも夫の実家はお金持ちなんです。財産分与は1千万円ですよね!

弁護士 財産分与の対象は夫婦で作った財産だけ。実家が金持ちかどうかは関係ないよ。簡単に言うと、結婚後に増えた金額になる。君の方が多く貯金していれば、逆に払わなければいけないかもしれないよ。

うさ子 えーっ、じゃあ、じゃあ、養育費は1千万円ですよね!

弁護士 養育費の前に親権はどうするの?

うさ子 夫も主張してますけど、当然私です!

弁護士 子どもが15歳以上の場合は本人の意思が尊重されるよ。

うさ子 え…!

弁護士 (15歳以上なの?)オホン。ま、親権者は君になったとして、養育費はお互いの収入の額で大体決まるんだよ。

うさ子 夫は年収500万円、私は250万円なんですけど…

弁護士 細かい条件によって変わってくるけど、大ざっぱに計算すると、もらえる養育費は月々5万円ぐらいだね。逆に夫が親権者になったら君が2万円を支払うことになる。

うさ子 それ、一括ではもらえないんですか?

弁護士 特別な事情でも無い限り、なかなか難しいと思うよ。君が浪費しないとも限らないし。それに一括と取り決めたところで、後で事情が変われば変更もできるから、トラブルの元になる。

うさ子 先生、ちっとも役に立ちませんね。そんなことじゃ離婚されますよ。

弁護士 おいおい。
それじゃ新情報。来年(平成19年)4月からは離婚時の厚生年金の分割制度が施行される。婚姻期間中に夫婦がそれぞれの収入に応じて納付した保険料も、離婚時に所定の手続きをすれば、財産分与のように調整ができるようになる。

うさ子 それなら来年4月まで我慢しようかな…

弁護士 だけど長い目で見て、離婚して金銭的にプラスになる可能性は少ないと思うよ。ところで、これは本当は誰の話だい?

うさ子 だから私ですってば。夢を見たんですよ。夫はイケメンの知らない人だったけど、修羅場でしたよー。

弁護士 ・・・将来、いい経験になるかもね・・・